挨拶

日頃より動物福祉活動「おさんぽマナーパックウォーク」へご賛同ご協力いただきありがとうございます。

あらためて、この活動をはじめたきっかけをお話しさせてください。

発起人である茂木が念願の犬を迎えたのは10年前になります。
当時仔犬の社会化を教える仕事をしていましたので、愛犬としてこれから自分の犬を育てられることが楽しみで、ある保護団体から仔犬を譲渡してもらいました。そのコがこの活動のきっかけとなった黒白雑種のふくるです。

愛護センター収容時に取られた写真です

想定外の恐怖心をもった仔犬でした。推定2ヶ月半のパピーがこれほどまでに人や社会に対して恐怖心を持っているなんて、愛護センターに持ち込まれるまでどんな生活をしていたのだろう・・・とその境遇をよく想像したものです。
兄弟犬3頭を元の飼い主と言われる方は愛護センターに持ち込みました。その時点ですでに身体の状態は良くなくて、3頭のうちの1頭はセンターで亡くなったと聞きました。
ふくるもセンターにいる時自力で水が飲めないほどに弱っていったという話も聞き、恐らくですがネグレクトだったのではないかと考えました。

ですが、過去は過去。
ふくるには愛情をいっぱい与えてくれる家族ができたんです、過去を想像して憐れむことなどもう不要でした。
焦らずふくるのペースで社会化をしていこうと決めました。
ですが、人社会に対する社会化はスムーズにできても、人に対する恐怖心だけは何年たっても一向に変わらなかったんです。
ふくるは人という生き物を受け入れるのではなく、人単体を、この人はここまでなら信頼できる・・・という認識をします。「人」自体がそもそも得体の知れない恐怖の対象だったのです。

そんな状態ですから、人に見つめられると吠えたり逃げたり、という行動をとってしまいます。
茂木がフォローするよりも先にその行動が出てしまった時は、可愛いと思って近寄ってきたり、顔を覗き込んできた人に吠えてしまい「躾がなっていない」と杖で叩かれそうになったり、石をなげられたり、追いかけ回されたり、同じように吠えてからかわれたり。
余計に人に対して吠える、怯えるという行動が強くなった時期もありました。

現在の地域に越した際(当時ふくるは4歳でした)ご近所さんは犬嫌いな方が多く、犬の仕事をしている私にとってはそれまでより注意して過ごさないと大変なことになる・・・と考えたものです。
会った時の挨拶や犬たちのコントロールだけではなく、地域の方に犬たちが受け入れてもらうため、迷惑をかけないようマナーを守るという行動を徹底してきました。

群馬県前橋市でのPWの様子

その結果、犬が嫌いとおっしゃっていた地域の方たちが、
「あなたの犬はお利口さんで可愛いし、怖くないわ」と可愛がっていただけるようになったんです。
人が怖いふくるにとっては、可愛がってもらうことは嬉しいことではありません。笑
そんな一歩ひいたふくるを見て、このコはどうしてこういう風なの?と人が大好きなあくびと真逆な反応をするふくるに興味を持ってくださり、ふくるの話を真剣に聴いてくださいました。そして同情ではなく理解を示してくれるようになったんです。
地域の方のそういった行動は、なんとふくるを変えていきました。

これまで茂木が1人でどれだけ頑張っても克服できなかった人への恐怖心がみるみるうちに和らいでいったんです。

このことで、ふくるのペースで社会化をするといっても、対「人」の場合は相手も生きている対象だからこそ難しいということに改めて気付かされました。
知っているようでできていなかったんですよね。
自分自身がマナーを守り、まずは地域の方に受け入れてもらえる飼い主になることで、愛犬が生きやすい環境を手に入れられるということ、そしてふくるのような人が苦手な犬の社会化もできることを体感しました。

センターに送られて殺処分になってしまうかもしれない環境から救う保護活動はなくてはならない活動です。
だけど、家族が見つかれば「幸せ」・・・ではないんです。
「死」から逃れることができただけであって、救われたその命が本当に犬らしく居られる場所で過ごせているかどうかは保護活動だけでは作れません。

保護活動がたくさんの人に知られることとなり、現在はたくさんの命が救われる環境が作られ始めました。

次に私たちがすべき事は、救われた命がより犬らしく「幸せ」に生きられる環境を整えていくことではないでしょうか。

その環境作りは、現在犬と暮らしている飼い主なら誰でも出来ます。
地域の方に迷惑をかけないようにマナーを守る、当たり前のことを周囲の人の目につくように当たり前に行うだけなんです。

活動開始するにあたりクラファンをさせていただいた時の写真です

冒頭から長くなってしまいましたが、これがこの活動を始めたきっかけです。

毎回のパックウォークではなかなか伝えきれていない内容ですので、ここまで読んでいただき大変嬉しく思います。

おさんぽマナー向上委員会

この動物福祉活動「おさんぽマナーパックウォーク」を企画・開催しているメンバーを紹介します。

運営スタッフは現在7名。


委員長(千葉県動物愛護推進委員):企画からホームページ編集・動画編集・予約等・全パックウォーク参加
副委員長:公園許可申請・当日の委員長のサポート・写真や動画撮影
地区長:その地域でのパックウォークへの積極的参加・当日のサポート(写真や動画撮影・参加者さんのフォロー・放置うんち拾い)・パックウォークの場所探しや下見・公園許可申請・親睦会の場所決めと予約
同じ県に会員が10名集まりましたら地区長を募集し、この活動に賛同し会員登録していただいた方から委員長よりお声がけ、もしくは推薦や立候補を募ります。
支部長:地区長より範囲が広くなりますが、お手伝いいただくことは地区長と同じです。
10名に満たない場合であっても委員長副委員長の土地勘のない場所では支部長を募集しています。委員長よりお声がけさせていただいてます。広い範囲になるのでいろいろとご負担をおかけすることも多くなってしまいますが、ご協力いただけますと幸いです。

ボランティアに興味のある方はぜひ立候補お待ちしております。
現在募集中のボランティアスタッフ
・パソコンが得意な方・・・ホームページの編集の手伝い
・動画編集が得意な方・・・パックウォークで撮った写真や動画の編集作業
・調べるのが好きな方・・・開催地周辺の犬連れランチができる場所などを探す
・北関東支部長(群馬・栃木・茨城+埼玉)
・東海支部長(愛知・三重+静岡)
・北陸支部長(福井・富山)

パックウォークの開催は年に35回を予定しており、開催地選びは会員数に応じて年間回数を決めてから会員さんのお声を聞き決定しております。(よって会員数の多い地域の開催回数が多くなります。)

開催地が決定してから、参加表明を募り10名集まった時点で開催決定となります。

第2期活動報告

2022.10.1〜2023.9.30 に開催したパックウォークの報告はこちらからご覧ください。
32回開催。(雨天中止2回・未実施1回)

第2期を終えて活動の成果と改善

飼い主がマナーを守ることで「犬が愛される環境を作る」という動物福祉活動を始めてはみましたが、第1期はパックウォークにただで参加できることや物珍しさで会員登録してくれた方が初年度登録者数の1/3。1年で約1/3の人数が退会されました。
参加できる開催地が少ない、なかなか都合が合わない、参加してあげている会員から寄付金(年間500円)を募るなんて、という理由でした。

そこで第2期からは、会員登録していただいた時のみ 1,000円の会員登録料(会員証発行代)という名目でご寄付を募り、初回参加時はまずこの動物福祉活動の意味を知ってもらおう、2回目にご参加いただいた時に会員登録していただこう、と会員登録を早まらず検討していただく方向で開催してきました。

ですが、実際はすでに会員登録していただいてる会員さんが、遠すぎない範囲(片道2時間は移動圏内とおっしゃっていただく方が多い。笑)で決して安くはないガソリン代をかけ参加してくださることが多く、活動の周知や新規会員を増やしていくところまでは至らないことが悩みでした。

そんな中いろんな方に活動の在り方について相談し、周知の仕方や開催方法に対して厳しい助言をいただくことが多々あった第2期でした。
動物福祉活動の第一歩をこのおさんぽマナーパックウォークでスタートさせることができて、今後は次の目標(次世代を担う子供達に犬らしく生きる環境とはどんなものかを伝えていく)に向けて準備をしていきたいのに、一向に軌道に乗らないジレンマ。

活動自体は楽しくてやりがいはあるし、賛同していただいている方達との出逢いを大切にしていきたくて、
活動を一旦やめて違う形で再チャレンジするのではなく、このまま継続しながら成功させていきたい!と諦めきれない想いと奮闘する日々でした。

拠点を関東なら関東に絞った方がいい。

たくさんのアドバイスをいただいた中で、これが唯一活動をやめずに継続させる方法なのかもしれないと考えました。

でも、縮小するにしても最後にもう一度足掻きたい、と2期ラストの関西遠征を過去3回のように新規会員1人も増やせずに終わらせることのないよう、最少遂行人数を一定数と決め、ある程度参加者さんを集めてから開催決定するシステムに6月から変更しました。

この最少遂行人数はどのくらいの人数だったらパッと人目を引くものか・・・を考え、あの団体は何してるんだ?って声かけてもらえる率を過去のDCCA主催のパックウォークの人数を調べた上で、スタッフ以外に10人だ!と決めました。

関西支部長を始め、関西にいるそばあな会員さんのお力を借り、琵琶湖も大阪も10名集めることができ開催決定となりました。
後は実際に開催してみて、会員に登録していただける方がどのくらいいるか・・・にかけた関西遠征となりました。
現地に行ってみると、なんと琵琶湖のパックウォークでは過去最高人数の30名の参加者さんがいらして、会員登録は3名の方がしてくれました。
次の日の大阪も連日参加してくださる方が増え、会員登録は5名。この関西遠征で8名の方が活動に賛同してくれたことになります。
これで関西と北陸にはすでに会員登録していただいている方を含め11人。
この数字を少ないとみるか・・・は人それぞれですが、約2年で3人と思ったら1回の遠征で8人はすごいです!笑
ということで、活動を関東に絞らずに現在の方法で継続していくことに決めました。

もちろんこのままではまたきっと活動が難しくなる局面を迎えるかもしれません。

ですがこういった活動は地道に長く続ける、というのがつきものだと思っていますので、第3期も「犬が犬らしく生きる環境を整えるため」おさんぽマナーパックウォークを開催していきます。

会員登録していただいた皆さま、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

収支報告

<収入>
活動へのご寄付
2022.10.3 M.N様 神奈川県 35,500円
2022.10.3 S.M様 千葉県 5,000円
2022.10.13 M.M様 群馬県 5,000円
2022.10.25 N.Y様 兵庫県 2,500円
2022.10.30 H.Y様 埼玉県 2,500円
2022.11.7 N.A様 千葉県 2,500円
2023.1.12 H.K様 神奈川県 2,500円
2023.4.4 M.Y様 栃木県 2,500円
2023年度新規会員登録料(18名) 18,000円
寄付金収入  76,000円

物販収入
会員さんのご寄付品の販売 3,200円

そばあな会収入
2022.10.1 14,400円
2022.11.1 14,400円
2022.12.1 13,600円
2023.1.1 16,800円
2023.2.1 16,000円
2023.3.1 15,200円
2023.4.1 15,200円
    登山部 400円
2023.5.1 17,600円
    登山部 400円
2023.6.1 15,200円
    登山部 1,600円
2023.7.1 15,200円
    登山部 800円
2023.8.1 13,600円
    登山部 800円
2023.9.1 13,600円
    登山部 1,600円
そばあな会収入 186,400円

収入計 265,600円

<支出>
ホームページ使用料 13,200円
チラシ作成等消耗品費 35,441円
活動費(車移動時ガソリン代・駐車場代) 389,070円
修繕費(車) 11,100円
活動費(関西遠征時公共交通機関交通費) 113,520円

支出計 562,331円

<繰越金額>
第1期 -39,954円
第2期 -296,731円 
   -336,685円  

収支不足分は一般社団法人ドックケアコーディネーター協会で補填しております。
引き続きこの動物福祉活動へのご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。              

ご寄付のお願い

この動物福祉活動はみなさまのご支援によって支えられています。

運営資金は活動へのご寄付金と、会員様の新規登録料、ご寄付品の販売収入、DCCAのサービス提供収入(そばあな会・登山部)でまかなっております。

活動へご賛同いただいた方からの寄付によるご支援を募集しております。
ご協力いただけましたら幸いです。

2023年10月20日
一般社団法人ドックケアコーディネーター協会 代表 茂木友美